
降雪時やとても寒いときに、飛行機に着氷してしまうと、飛行機の飛行時にいろいろな悪影響を及ぼし、最悪の場合、飛行機が失速し墜落してしまうこともあります。従って、出発前にこの着氷を取り除く必要があるのです。
そこで活躍するのが、今回ご紹介する除氷車(デアイサー)です。今年の冬は例年より寒いので、茨城空港でもデアイサーの出番がありました。
さて、デアイサーは、大きなタンクを持っており、濃縮された防除氷液を周囲の気温に応じて防除氷液を水で薄めて使用します。そして、デアイサーには大きなアーム(ブーム)が付いていて、その先にはゴンドラがついています。このゴンドラの中で、操作をして除氷液を機体に吹きかけて防除氷をします。

アームが伸びます

これがゴンドラ

このノズルから防除氷液が噴霧されます
防除氷の方法ですが、外気温その他の条件によって、防除氷を1回で終わらせる場合(ワンステップ方式)と、2度にわたって行う場合(ツーステップ方式)があります。
飛行機全体を防除氷し終わるのには、そのときの天候等によって異なります。積雪1cm程度であれば10分ほどで終わりますが、5cmの積雪では1時間程度かかってしまいます。
デアイサーを使用するときは、雪が降っているときなど、天候が悪いときが多いです。悪条件の中で、機体にぶつけることのないように慎重に操作します。そして、防除氷液がかかっていないところがないように、まんべんなくふりかけます。

デアイサーがあることにより、霜が降りたり、雪が降っているときでも、飛行機が無事運航できるのです。今年の冬は寒いので、再びデアイサーの出番があるかもしれません。寒い日や、雪が降った日に是非空港まで観に来て下さい。