トーイングカー

今回はトーイングカー(Towing Car)について紹介します。

トーイングカーって?

トーイングカーは、地上で止まっている航空機を牽引したり、押したりして移動させる特殊な作業車です。ほとんどがタイヤとエンジンで構成された車で、エンジンはトラックと同じ造りになっています。馬力が約400馬力あり、総重量は約50t、排気量は10000ccです。最大時速27kmで走る事ができますが、駐機場内では速度が8kmに制限されています。

トーイングカーを使う作業には、主にプッシュバック(pushback)とトーイング(towing)の2つがあります。

プッシュバックとトーイング

プッシュバックとトーイング

出発の際に、航空機を出発できる位置まで押し出す作業のことを「プッシュバック」といい、航空機のエンジンを作動せずに機体を地上で移動するときに牽引することを「トーイング」といいます。

飛行機はバックできないわけではないのですが、後ろが見えないので、危険なためあまりバックをすることはありません。そのため、トーイングカーを使用し、プッシュバックする必要があるのです。

プッシュバック作業は、トーイングカーだけではできません。
航空機の機体とトーイングカーを繋ぐ、トーバー(tow-bar)というものが必要になります。

トーバーって?

トーバーって?

トーバー

トーバーとは、機体とトーイングカーを繋げる棒のようなものです。
トーバーを取り付けるにあたっては、適した順番があります。

  1. まず、機体の前輪にトーバーを取り付けます。
  2. 次に、トーイングカーの前についている金具に取り付けます。

たった2工程ですが、この順番はとても重要です。
先にトーイングカーにトーバーを取り付けてしまいますと、そのままの状態で機体に近づくことになり、大変危険で合わせづらく、ずれて取り付けてしまう可能性があるからなのです。絶対にこの順番を守らなければいけないという訳ではないのですが、安全の為、このような順番で取り付けられているのです。

ちょっとうんちく

トーバーを機体に取り付ける前に、機体の前輪は必ずフリーにしておきます。
「フリーにする」というのは、簡単に言えば、ハンドルの操作を車輪に伝えないようにすることです。フリーにしないまま作業を進めてしまうと、作業中に誤ってハンドルに触れてしまうなどのミスがあった際、ハンドルと連動して前輪も動くことになり、先に取り付けたトーバーごと振り子のように大きく振れてしまうので大変危険です。このためプッシュバックやトーイングを行う際には、トーバーを取り付ける前に、必ずこの作業を一番始めにしています。

 

茨空とトーイングカー

自走式

自走式

プッシュバック

プッシュバック

茨城空港では、航空機の運用に自走式を採用していますので、航空機は通常、出発時にトーイングカーを使うことなく、自らの力で滑走路に向かいます。(ローコストへの取り組み:自走式による航空機運用を参照

このため、茨城空港ではプッシュバックやトーイングを行っている様子を目にすることはあまりありません。しかし、チャーター便などが重なり、駐機場に何機もの航空機が停まる場合(茨城空港は、機種にもよりますが、同時に4機まで駐機することが可能です。)には、他の航空機が障害となるため、自走して滑走路に向かうことはできなくなります。このような場合にはトーイングカーを使ってプッシュバックすることがあります。

ゴールデンウィークの状況(5/1)。こうなったらトーイングカーの出番です。

ゴールデンウィークの状況(5/1)。こうなったらトーイングカーの出番です。

これまでには、1日に多くの航空機が離発着した開港日やゴールデンウィークに、トーイングカーが活躍しました。今後も、チャーター便運航などで、同じ時間帯に多くの航空機が重なるような場合には、トーイングカーの活躍が見られることがあるかもしれません。(むしろそうなったら嬉しいんですけどね!)

もしご覧になれた場合には、通常の自走式とトーイングカーを使用した出発の違いを理解して頂けたらと思います。
ちなみに、航空機が自走して滑走路に向かう姿は、他の空港ではそうそう見ることはできない、茨城空港ならではの光景です。ぜひ空港にいらして目の当たりにして下さいね。


もっと知りたい!茨城空港の“はたらくくるま”